
皆さんこんにちは!
有限会社兼和の更新担当の中西です。
~求められる技術~
建設業界では現在、省エネルギー、脱炭素、人手不足への対応、デジタル化など、大きな変化が進んでいます。
管工事業も、従来の施工技術だけでなく、建物全体のエネルギー効率を高める知識や、デジタル機器を活用した施工管理が求められるようになっています。
配管は、建物内で水、空気、熱、蒸気などを運ぶ重要な設備です。
配管経路、保温性能、ポンプの運転方法などを改善することで、建物の使用エネルギーを減らせる可能性があります🌱
また、3次元図面、タブレット、測定機器、遠隔監視などを活用すれば、施工ミスを減らし、保守点検を効率化できます。
今回は、これからの管工事業に必要となる省エネ・デジタル技術についてご紹介します。
目次
給湯管や冷温水管では、流体を運ぶ途中で熱が逃げます。
給湯器やボイラーでつくった熱が配管から失われると、必要な温度を保つために余分なエネルギーを使用します。
そこで、配管へ適切な厚さの保温材を施工し、熱損失を抑えます🌡️
保温材は、厚ければ必ずよいというわけではありません。
流体の温度、配管径、設置場所、周囲温度などを考え、必要な仕様を選びます。
継手、バルブ、フランジ、支持金具周辺は、保温が途切れやすい場所です。
細かな部分まで隙間なく施工することで、設計上の性能を実現できます。
既存建物でも、傷んだ保温材を更新することで、エネルギー効率の改善が期待できます。
建物内で水や冷温水を循環させるため、ポンプが使用されます。
ポンプが必要以上の圧力や流量で運転していると、電力を無駄に消費します。
配管抵抗や使用状況を確認し、適切な能力のポンプを選ぶことが重要です。
インバーター制御を使用すれば、必要な流量に合わせて回転数を変えられます。
使用量が少ない時間帯には回転数を下げ、電力消費を抑えます⚙️
ただし、回転数を下げ過ぎると必要な圧力を確保できなかったり、設備機器が正常に動かなかったりします。
圧力計、流量計、温度計などのデータを確認しながら調整します。
ポンプだけでなく、配管径、バルブ、ストレーナーなど、設備全体で効率を考えることが大切です。
水資源を有効に使うため、節水型の衛生器具や水栓が普及しています💧
少ない水量で十分な洗浄や使用感を得られる設備ですが、既存配管との組み合わせによっては、排水や給水に影響が出る場合があります。
節水型トイレでは、一回に流す水量が少ないため、長い排水管や勾配が不適切な配管では、汚物が途中に残る可能性があります。
器具だけを交換するのではなく、排水管の状態や経路を確認することが重要です。
雨水を散水やトイレ洗浄へ再利用する設備もあります。
飲用水と再利用水を確実に分け、誤接続を防ぐ必要があります。
配管の色分け、表示、逆流防止などを行い、安全性を確保します。
太陽熱温水器、地中熱、ヒートポンプなど、再生可能エネルギーや高効率設備を利用する建物が増えています☀️
これらの設備では、熱を運ぶための配管が重要な役割を果たします。
配管経路が長過ぎたり、保温が不十分だったりすると、せっかく得た熱を途中で失ってしまいます。
流体の温度や圧力に耐えられる材料を選び、膨張、凍結、空気だまりなどへの対策を行います。
複数の熱源を組み合わせる設備では、バルブや制御機器も複雑になります。
設備設計者、電気工事業者、機器メーカーなどと連携し、システム全体が正しく動くように施工します🤝
従来の設備図は、平面図や断面図を中心に作成されてきました。
しかし、天井裏や機械室には、配管、ダクト、配線、梁などが複雑に配置されます。
二次元の図面だけでは、部材同士の干渉に気づきにくい場合があります。
3次元データを使用すれば、配管の高さや経路を立体的に確認できます💻
施工前に、空調ダクトと配管がぶつかる、梁を貫通できない、保守スペースが不足するといった問題を発見できます。
現場で配管をやり直す回数が減り、材料や時間の無駄を抑えられます。
ただし、データ上で納まっていても、実際の現場に施工誤差がある場合があります。
レーザー測定器などを使って現場寸法を確認し、データとの差を調整することが必要です。
現場では、タブレットやスマートフォンで図面、仕様書、施工写真などを確認することが増えています📱
設計変更があった場合も、最新の図面を関係者で共有しやすくなります。
紙の図面では、古い版を誤って使用する危険があります。
デジタル管理では、更新日や変更箇所を確認し、常に最新情報を使えるようにします。
配管を保温材や天井で隠す前に写真を撮影し、系統や場所ごとに保存します。
試験結果、使用材料、施工者なども記録すれば、品質管理や将来の保守に役立ちます。
ただし、写真を大量に撮るだけでは必要な情報を探せません。
場所、系統、日時、工程などを整理して保存することが大切です。
現場で管を一本ずつ切断、加工、接合する方法に加え、工場や加工場で配管ユニットを事前に製作するプレハブ加工も活用されています🏭
現場の作業時間を短縮でき、安定した環境で加工するため品質を管理しやすいことがメリットです。
天井裏の配管を複数本まとめたユニットや、ポンプ周辺の配管をあらかじめ組み立てて現場へ運びます。
ただし、現場寸法が正確でなければ、製作した配管が納まりません。
3次元測定や詳細な施工図を使用し、接続位置を正確に確認します。
運搬経路や揚重方法も考える必要があります。
大型のユニットをつくっても、建物の入口やエレベーターを通れなければ搬入できません。
工場加工と現場調整の両方を理解することが重要です。
ポンプ、受水槽、配管系統などへセンサーを設置し、圧力、流量、温度、水位などを遠隔で監視する設備も増えています📊
異常な圧力低下や流量増加を早期に発見できれば、漏水や機器故障への対応を早められます。
建物の使用状況を記録し、エネルギーや水の無駄を分析することもできます。
たとえば、夜間に水を使用していないはずなのに流量が続いている場合、どこかで漏水している可能性があります。
センサーの情報だけで原因が分かるとは限りませんが、点検が必要な場所を絞り込めます。
管工事業者には、配管やポンプだけでなく、計測機器や制御への理解も求められるようになります。
管工事には、ねじ切り、溶接、勾配調整、配管支持など、経験によって身につく技術があります。
熟練職人の作業を動画で撮影し、若手職人が繰り返し学べるようにする取り組みも有効です🎥
工具の角度、締め付ける力、音や感触など、文章だけでは伝わりにくい部分を映像で確認できます。
施工不良の事例や修理記録を共有すれば、なぜ問題が起きたのかを学べます。
ただし、動画を見るだけで技術を習得できるわけではありません。
実際の現場で材料へ触れ、先輩職人から力加減や判断方法を教わることが必要です。
デジタル教材と現場教育を組み合わせることで、技能継承を進めやすくなります。
これからの建物では、新しくつくるだけでなく、既存設備を適切に改修し、長く使うことが重要になります🌱
配管の一部を補修する、内面を更生する、高効率ポンプへ交換する、保温材を更新するなど、建物全体を解体せず性能を改善する方法があります。
必要な部分だけを工事すれば、廃材や工事期間を減らせます。
一方で、劣化した設備を無理に使い続けると、大規模な漏水や停止につながる可能性があります。
点検結果をもとに、修理、更新、更生のどれが適しているかを判断します。
短期的な費用だけでなく、安全性、耐用年数、省エネ効果、将来の保守まで考えた提案が求められます。
これからの管工事業では、従来の施工技術に加え、省エネ、節水、再生可能エネルギー、デジタル管理など、幅広い知識が必要になります。
配管の保温やポンプ制御を改善することで、建物のエネルギー消費を抑えられます。
3次元図面、タブレット、センサー、プレハブ加工を活用すれば、施工ミスや現場作業を減らし、保守点検も効率化できます。
しかし、機器やデータだけで良い配管設備をつくることはできません。
現場の状態を確認し、材料の性質を理解し、最適な方法を判断する職人の技術が欠かせません。
経験によって培われた技能と、新しいデジタル技術を組み合わせる。
その進化によって、管工事業は建物の快適性を守るだけでなく、省エネルギーで持続可能な社会づくりにも貢献していくのです💻🔧🌱